夏はいろんなイベントもりだくさん。
現場仕事にかりだされる人も多い季節です。みなさんお疲れさま。
たまにはそんな話。。
私自身はあまり関わってないのがTV関係なのですが
今、現場はとってもシビアな空気に覆われてるらしい。
いつでも「苦しい、大変だ」はどこでも合い言葉なんだけど
昨今のいろんな(敵対買収がどうの、未払い料金増大だの)ことで
ひところならかなり余裕のあったテレビ的世界でもあちこちで
またいちだんと非常(非情)なる金銭的引き締め体勢がはじまってるという。。。
こういう場合、局にいるエライさん(多くは様々なるコネ関係者)にはあまり影響はないのよね。
末端の現場のほうに、最初にもろにしわ寄せが行ってしまうの。
今までなら泊まりで3日のロケが、とびとびで2日になったりする。
たとえ朝の集合が6時で、
試写を終えて解放されるのが深夜11時であったとしても、請求できるのは1日ぶん。
正社員である局関係者には、早出手当やら残業手当がつくのでしょうけどね、たぶん
取材先とタイアップして、いつもいいもん食べたりしてるんでしょ?ですって?
そ・れ・は、現場では後ろ手に組んで見物しているようなエライさんだけ!
空港から大きなワゴンタクシーをチャーターするのが贅沢だという声もある。
放送用業務機材の非情なまでに重い荷物を3.4人で全部運べと。
タイトな電車の乗り継ぎ時間に
ジュラルミンのケースを両手に持って全力で階段を駆け上がれと。
機材の軽量化が進むのは大変ありがたいことだけど
それよりもスタッフ人数の少数化速度のほうが早いという現状。。
雨が降っても雪が降っても
行けといわれたら、現場のスタッフは行くしかない。
一般の人には撮れないような画面をつくらなくっちゃならないもの
誰も入り込まないような山林で、明け方から機材を仕込み
いったんカメラが回りはじめたら、でっかいヤブ蚊が腕にまとわりついても動くことはできない
防水カッパにタオルを巻き付けても首筋からは雨がしみとおる
凍える冬山では使い捨てカイロを腰に膝に貼り付けて、オンエア5秒の映像のためにしもやけを作る
撮影が終われば、今度は泥にまみれたケーブルをひとつひとつ拭き清めなくては
技術的なテクニックに加えて、彼等にはサバイバル能力だって必要なんだ
ロケから戻った彼等は傷だらけだ
でも、もくもくと機材を片づけ、誰に文句を垂れることもない
地方の放送局には毎年、たいていまだ若い演出者が配属されてやってくる。
スバラシイ学歴を誇る、優秀で未熟な放送マンたち
かれらは地方局で腕を磨くため、また自分の出世のためにも
あえて「斬新な手法」をとってみたりもする
その、非常識と脱マンネリのすれすれを支えるのが老獪な裏方衆だ
取材先で怒らせてしまった相手をなだめたり
撮り終わったテープを紛失しかかったりするのを必死に捜したり
その場になってくるくる変わる方針にもキレず、陳腐な技法に首をかしげたりもせず
いつも柔軟に対処できる精神力がないと務まらない
ロケ現場の技術スタッフが意外なくらい年齢が上だったりするのはそのせいなのか
それでも
さんざ苦労させられた20も年下の上司が、転属になってその地を離れ
数年後、別の番組のエンドロールに名前をみつけたりすると
我が子の出世をみたかのように目を細めたりする
彼等は現場が好きなんだなぁと思う瞬間