人気がある出演者にはたくさんの「さしいれ」が届きます。
お花から食べ物、手製の洋服、デカイぬいぐるみ
成人ならビールから一升瓶まで、ありとあらゆるアルコール類各種
正体不明の健康食品に栄養ドリンクの箱
木箱にはいったままの魚の干物の詰め合わせ(謎)
樽いっぱいの茄子のカラシ漬け などなど・・・・・。
(もっとスゴイものはいろいろあるそうですが、私が見たことあるのはこの程度)
いったいこれを旅先なんかでどーせいって?
イエイエ、ありがたい限りではありますが……。
規模の大きい出し物では専用の「差し入れ受付」が設置され
配送用にトラックを呼ばなくちゃならないこともあるんだそうな。
ほんとオオゴト。
ちなみに毒味担当者もいますが、未知の方からの手作り食品はあまり歓迎されません。
というか手作り系は非常に労力の報われにくいものと思ったほうがいいでしょう。
(つまり・・・・察してね)
さらに
そりゃ万札が飛び散ってみえるような
蘭の鉢植えはスバラシイ
でもねー、お花って嬉しくもあり
ちょっと迷惑でもあり、なのよ。
人によって歓迎度はさまざまだけど、
後始末するスタッフも大変だし(小声)
実のところ
サイズは小さくても珍しくて美味しいものとか
限定系の消えモノなどが歓迎されております。
そうだなー、あるときは本人でもなかなか手が出ない超高級化粧品セットが届いて、
キャーキャー喜ばれているのを見たことはあります。
化粧品関係って、人目があるから普段ゆっくりチェックできないし
これ、意外と相手の男女を問わなかったりして。
ショービジネスでは男女とも、老化と切実に戦ってますからねーー。
もちろん直接相手に会って渡すことはまず無理です。(恐いオジサンにつかまるよ。)
だから会場を出入りしている私達スタッフを呼び止め
「これ、○○サンに渡して下さい!」
「ぜったい!直接本人にお願いします!」
うーん、その情熱はよくわかるけど、やっぱりダメなのよ。
イタズラとか事件がないでもないご時勢だし、何かあったら責任とれない。
やはりまずは事務所の人などに渡されます。
でも、チェックを受けた後に、ちゃんとお望みの相手のもとにたいがい届いてますよ。
その後がどうなるかは神のみぞ知るところですが……。
出演者もベテランになり、お客さんも長年のおなじみさんになってくると
差し入れする側もこなれてますのでトラブルはほとんど起こりません。
「毎年これを喜んでもらえるから」って腕によりをかけて作った土地の名物料理とか、
豪華お手製ちらし寿司なんかを届けてくださるような場合もあります。
また、これをアーティストのほうも覚えていて、秘かに楽しみにしていることも、実は多いの。
なにかの加減でそれがなかったりすると
目に見えてガッカリしていることもあるんですよー。
人気アイドルだと毎回トラックが必要なくらい届け物があるそうです。
迷惑なんじゃ……って?
まあ、それは少なからずそうだけど、でも「ある」と「ない」とじゃ全然違う。
やっぱり人気商売だから。
個々のものまでは把握できないとしても「張り合い」には確実になってます。
走り始めた新人のころ、そして人気に夕陽がさしてきたころ……
ステージ上の人達の孤独は、深い。
※カチカチ音がするストップウォッチ、さすがにほとんど使い道がないですねーー。